数理情報メディア工学研究室

研究室の概要

当研究室では、人と機械の調和の促進に向けた研究開発、特に、視覚的注意のモデル化に基づく知覚情報処理技術の確立とその福祉・デザイン分野への応用に取り組んでいます。また、深層学習に基づく人の内部状態の推定や感性のモデル化、地域の潜在的な課題解決に向けた技術開発に取り組んでおります。

主な研究テーマ

博視覚的注意の推定モデルと注視誘導技術の実現

注視やタッチアクションなど人の行動・反応として現れる興味や意図といった内部状態に着目し、視覚的コンテンツに対する注目領域と興味度の推定に関する研究を行っています。また、視覚メディアに対する人の視覚的注意を実時間で推定するとともに、その逆問題を解くことにより特定領域の目立ち度を変化させる技術であるAttention retargetingを実現しています。

さらには、本技術の実応用として、デザイン分野では公共空間での看板の視認性・誘目性を高める配色に関する研究、色彩バランスを考慮した栄養バランス弁当の盛り付けに関する研究に取り組んでいます。一方、福祉分野では高齢者・色覚異常者のための視覚的顕著性モデルの提案を行っており、他分野の研究者との共同研究を積極的に実施しています。

画像処理・深層学習に基づく福祉・デザイン分野で人の活動を支援する技術の開発

福祉分野おいて人の活動を支援する技術の実現に向けて、深層学習に基づく手話・指文字認識、食事画像からのカロリー等の栄養成分推定に取り組んでいます。また、色覚異常を対象とした色の知覚モデル解明や色に対する感性情報処理に関する研究として、色覚特性者の視覚的注意モデル実現、動的掲示や顔表情に関する色の印象分析などに取り組んでいます。

一方、デザイン分野については、人の感性の多様性を考慮した写真の審美的品質を推定する手法の開発に長年取り組んでいます。本テーマは企業との共同研究であり、我々の技術を使用した写真整理サービス「おくってフォトブック(https://okutte.jp/)」はテレビ・新聞等で広く取り上げられています。更なる技術の高度化に向けて、説明可能なAI技術と画像処理により“写真の加工によって審美的品質がどのように変化するか”を分析する仮説検証型のアプローチに基づき、審美的品質評価に寄与する視覚特徴の解析、すなわち暗黙知の表出化に取り組んでいます。

地域の産業振興に向けたAI導入による課題解決

地域産業の更なる活性化にはAI導入による作業・検査の効率化・高品質化が必要不可欠であることから、以下に示す研究テーマを展開しており、それぞれ地元企業や他分野の研究者とともに共同で取り組んでいます

・ものづくりの現場で望まれている技術開発:外観検査,技能伝承・作業の見える化
・農業の現場で望まれている技術開発:病害虫モニタリング,夜間の鳥獣監視・識別
・デザインの現場で望まれている技術開発:写真色校正の自動化

コンテンツ

アクセス

情報工学部棟 6階 東側
〒719-1197
岡山県総社市窪木111
岡山県立大学 情報工学部
情報通信工学科

>>アクセスマップ

>>キャンパスマップ