研究室概要
- 情報化社会においてコンピュータ等で物事を処理する際には、人が何気なく行っている手順を詳細に分析する必要があります。また、より効率的に処理するためには、対象としている問題の本質を見極め、そこに内在している性質から手順を組み立てることになります。当研究室では、さまざまな問題に応用できる基礎的な問題に対するアルゴリズムから、特定の対象に特化したアルゴリズムまで、さまざまなアルゴリズムについての研究に取り組んでいます。
主な研究内容
1. 基礎アルゴリズム
- 特定のアプリケーションに特化したものではなく、多くの問題に適用可能な汎用的なアルゴリズムについての研究を行っています。たとえば、組合わせ問題において解の候補がn!個も存在する場合、それらを列挙するのはnが少し大きくなるだけで大変困難となります。そこで、概念的にそれらを表現するPQ-Treeと呼ばれる構造を用いて記憶・変形処理を行い、問題解決に至る手法の研究に取り組んでいます。また、計算機何学の分野で用いられるボロノイ図に重みの概念を付与した重み付きボロノイ図の作成手順やその応用に関する研究等にも取り組んでいます。
2. ソフトコンピューティング
- 通常の手順で処理を行おうとすると膨大な時間が必要となる問題であっても、脳の神経回路網や生物の遺伝のシステムなどの自然界の法則をモチーフにすることで現実的な時間で近似的に処理ができる問題に対する解法についての研究を行っています。たとえば、脳細胞モデルを用いたニューラルネットワークによる工場等の生産ラインにおける効率的なスケジュール作成手法、学校等の時間割編成の自動生成手法、画像認識手法に関する研究等に取り組んでいます。また、進化のメカニズムを取り入れた遺伝的アルゴリズム、遺伝的プログラミングを用いた組合わせ最適化問題に関する研究も行っています。
3. 画像処理
- 普段我々が何気なく行っている「目で見た情報だけで物を認識・判断する」ことが、実は大変複雑な処理を行っており、これらの画像処理に関する研究を行っています。たとえば、動的輪郭モデルを用いて画像の輪郭を正確に抽出する手法、ボケやブレを含む画像の特徴を元にそれらを修復する手法、印刷文書・手書き文書画像の認識・理解手法の研究に取り組んでいます。さらに、近年盛んに研究されている高度道路交通システム(ITS)に関連した、車載カメラによる車両前方画像中の道路標識の抽出・認識手法、道路路面標示の抽出・認識手法、カーナビ用地図の自動生成・更新手法の研究等にも取り組んでいます。
資料